群馬から「新たな価値」・「イノベーション」を
創出するための
未来を見据えた異業種連携の
プラットフォームです。
領域:医療・ヘルスケア
申請者名:(株)T-TECH、アイ・ウィッシュ(株)、(株)Kort Valuta
【プロジェクトの目的】
介護現場の課題は、人手不足に応える手作業の改革である。本事業では、生体情報測定と出納管理をデジタル技術で革新させ、作業負担の軽減とデータの健康管理への活用を図る仕組みで、未来の介護を実現する取組を実施した。
具体的には、生体情報の測定と決済機能を有するリングを試作し、図1及び2に示すバイタルチェック及び出納作業それぞれの新技術開発の検討を行い、実際の介護現場での実用化を目指す実証実験を実施した。
実験結果より、従来技術での属人的作業をデジタルで自動化及び効率化し得ることを確認した。これにより、介護現場に必要な作業者が削減され、初期の目標である質の高い未来の介護を実現し得る成果を得た。
図1 バイタルチェックの従来技術と新技術
図2 出納作業の従来技術と新技術
【コンソーシアム形成のきっかけ】
コンソーシアムの主体事業者である㈱T-TECHに対して、介護事業所を経営するアイ・ウィッシュから介護現場の労働生産性を高めるデジタル実装に関してのニーズが寄せられた。㈱T-TECHでは、従来から㈱Kort Valutaと、製造業向けデバイス開発について、連携協力を図ってきており、当該ニーズに関しても、チームとして連携を図ることで、実現、提供可能なサービスであると確認された。しかしながら、健常者ではなく、介護現場という対象となる方に接するのに、特別な資格を要する現場であり、特殊な現場であるため、実証にあたっての介護事業者との確実な連携が必要となり、3社でのコンソーシアム形成に至った。
【プロジェクトの進捗】
リング、システムの基本的な機能を満たすシステムの開発を行い、実際の介護現場での実証を行った。実証結果として以下の結論を得た。
(1) 生体情報測定及び決済機能を有するリングは介護現場での手作業の改革に有効であり、必要作業者数の削減を可能とする。
(2) 生体情報測定の結果はデジタル化されることから、スマートフォン等の端末にて任意の表示が可能となり、現場のニーズに即した運用が可能である。
(3) リングのVISAの決済機能を活用することで、新たな利用価値を見出すことが可能となる。
開発したリング
バイタルチェック状況
従来技術
新技術(リングによる経時取得)
【今後の展開】
今後は、リングの小型化、アプリの簡素化、予兆管理への応用、電池の長寿命化、リング以外のウェアラブルデバイス化、決済方法の多様化など、市場リリースに向けて仕様の精査、カスタマイズを進めていく。
2年後にマーケティングテストを行い、3年後に本格的な市場投入を行っていく計画である。
実際の介護現場からの具体的なニーズもあるから、計画は適宜前倒しして進めていく予定である。