PROJECT プロジェクト

群馬から「新たな価値」・「イノベーション」を
創出するための
未来を見据えた異業種連携の
プラットフォームです。

足の健康を中心とする健康長寿に向けたフレイル予防の拠点づくり

領域:医療・ヘルスケア
申請者名:BMZ、1BITLAB TECHNOROGY JOINT STOCK  COMPANY、ファスター、ICTまちづくり共通プラットフォーム推進機構、群馬大学、群馬医療福祉大学

 

【プロジェクトの目的】
高齢者に多く発症するフレイル状態は、寝たきり状態の手前となる。群馬県の35市町村(12市15町8村)のうち30市町村はこの対策事業を外部に委託している。フレイル予防は運動環境と栄養環境が主となり、日常的な運動習慣・歩行習慣が予防に欠かせないと言われている。特に歩行機会の減少は、コミュニティから遠ざかり、部屋の中での閉じこもり傾向となり、活動量の低下から廃用症候群を引き起こす。最悪の場合は寝たきりになってしまう原因の一つとなっている。今後、高齢者人口がピークを迎える2040年頃に向けて、国民の健康寿命を少ない労力で補っていく必要に迫られており、デジタル技術を活用した施策が求められている。当プロジェクトは介護シューズの開発を進める中でデジタル技術を活用し、フレイル対策事業に取り組むものである。

【コンソーシアム形成のきっかけ】
株式会社BMZは世界を視野に入れた販売チャネルや海外工場を持っている。そこに、群馬県内企業が展開する導電性繊維の技術を活用して健康情報を取得し、群馬県内の大学とエビデンスを構築することで、「群馬県健康増進計画(元気県ぐんま21(第2次))」の一助となるフレイル対策事業の好事例をもたらすと考えている。
群馬県内の組織がコンソーシアムを結成し、世界を視野に入れた製品開発を行うことで、群馬県内の産業の可能性を示す。プロジェクトの過程で①高機能価値を付与したシューズや製品、②装着するだけで健康情報を収集できるウェアラブルウェア製品の開発をすることは、イノベーティブであり、繊維関連産業を持つ群馬県では、こうした技術に触発された第二、第三のイノベーションに期待ができる。
当コンソーシアムには、ベトナム社会主義共和国のIT企業がコンソーシアムに参加する。ベトナムは労働人口の中心が20~30代であり、デジタル教育に成功している。その企業が群馬で活躍することは、群馬のIT企業に刺激を与え、デジタル産業の活発化への寄与が見込める。
エビデンスやフィールドの実証実験には大学等が参画し、フレイル予防プログラムの開発及びフレイル予防の拠点づくりを進めた。

【プロジェクトの進捗】
(1)介護シューズの開発
●株式会社BMZ
歩行能力の維持・改善を図ることのできる介護シューズの試作品の開発に取り組んだ。介護シューズとは歩行能力の維持・改善ができるシューズで、①筋力増加の効果がある、②安全性や軽さを確保できる、③脱ぎ履きがしやすい設計とし、その開発を目指した。


試験用介護シューズ

●株式会社ファスター
効果検証の要となる歩行データの取得については、株式会社ファスターの特許技術である経編技術を用いた。株式会社BMZのインソールに導電性繊維と薄膜センサを装着し、利用者のはき心地を考慮した計測システムを構築した。シューズの形状に合わせて、導電性繊維を用いた生地を新たに製作し、検証を重ねた。その後、薄膜センサと導電性繊維を用いた生地部の接続を含めた縫製部の検証を進めた。介護シューズの素材にあわせた形状、密度等を検証する必要があるため、複数回にわたり試作検証を進めた。


生体圧力の変化のデータ取得


実験の様子

●1BITLAB TECHNOLOGY JOINT STOCK COMPANY
アプリケーションはベトナムの1BITLAB TECHNOLOGY JOINT STOCK COMPANYが担当した。スマートフォンアプリを構築し、歩行に関するデータ取得をはじめ、利用者がその結果を閲覧することで、利用者の行動変容につながるか意識調査を行った。併せて、体組成計から骨格筋量や体脂肪を取得し、介護シューズ単体の効果測定も行った。

(2)フレイル予防プログラムの開発及びフレイル予防の拠点づくり
参加事業者・群馬大学は2021年から群馬県の体組成データ解析・トレーニング支援の委託事業を受託しており、その知見をフレイル予防に生かし、予防プログラムを開発した。それに合わせた生化学検査や高齢者の動画解析を合わせて、10~15分程度の最適化された予防プログラムを開発した。
株式会社BMZは足の健康に関わる情報発信をする体験型施設として「フットパークみなかみ(仮称)」構想を進めているが、ここに集客用の施設を設置し、健康長寿の拠点づくりを目指している。みなかみ町と連携して40歳以上の人を対象としたフレイル予防プログラムを定期開催する計画であり、それに向けて「BMZ足の学習室」を開催した。

                               「BMZ足の学習室」の様子 2024年11月

【今後の展開】現状、介護シューズは開発段階であるが、今回テスト開発した介護シューズを元にさらなる仕様改良を行い、市販化を目指しているところである。また株式会社BMZが運営する「フットパークみなかみ(仮称)」は2022年3月末に廃校となった「旧新治中学校」を再生し、足の健康発信をする体験型施設として、2025年秋ごろの開設に向け整備を進めている。今回の実証実験をもとにフレイル予防プログラムとして、運動指導プログラムと栄養指導プログラムを考案し、情報発信・実践を進めている。今後も、日本および群馬県における事業展開を強化し最新技術を活用した革新的なソリューションの提供を通じて、より多くの企業や地域社会に貢献できるよう努めていく。

あああ

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