群馬から「新たな価値」・「イノベーション」を
創出するための
未来を見据えた異業種連携の
プラットフォームです。
領域:医療・ヘルスケア
申請事業者:豊田合成、群馬大学、東海国立大学機構
【プロジェクトの目的】
群馬県は糖尿病有病率と未受診・未治療率が高い水準にあり、40〜70代を中心に「なんだかんだ健診に行かない」「まだ大丈夫」と行動変容が進みにくい層の存在が大きな課題となっている。本プロジェクトは、AIインソールによる10m歩行解析と簡易血液検査(HbA1c)を核に、商業施設の人流(イオンモール高崎、来場者約800万人/年)を活用し、“買い物ついで”に生活習慣病とフレイルリスクの予兆を同時に拾い上げる新しい健診モデル「Dynamic健診」を実装することを目的とする。スクリーニングから運動・栄養介入、継続支援までを一気通貫で提供し、日常動線に埋め込まれた地域健康エコシステムの構築を目指す。
【コンソーシアム形成のきっかけ】
AIインソールは大阪府下をはじめ全国30以上の自治体・企業で実装実績を積み重ねてきたが、糖尿病の重症化抑制と未受診層へのリーチという群馬県固有の課題に応えるには、計測技術だけでは不十分であり、臨床監修・行動科学・地域医療・商業施設オペレーションを束ねる必要があった。そこで、糖尿病領域の臨床監修を群馬大学医学部が、リアルワールド研究と医療情報基盤を名古屋大学医学部が担い、地域連携と拾い上げを黒沢病院が、会場運営と集客・継続インセンティブ設計をイオンモール高崎が担う形で、豊田合成を全体統括とするコンソーシアムを組成するに至った。
【プロジェクトの進捗】
2025年10月〜2026年2月にイオンモール高崎1Fサブコートにて第1回・第2回計測会を実施し、通算548名が参加、うち150名を介入対象として縦断追跡している。AIインソール歩行解析・HbA1c測定・体組成・サルコペニア評価を組み合わせた約75分のオペレーションを確立し、歩行指導士と管理栄養士による運動・栄養指導をオンラインで並行運用した。介入群90名では腹囲・HbA1c・握力のいずれにおいても統計的に有意な改善を確認。AIインソールの2軸スコア上で健常域へ移行した割合は介入群が非介入群の約2倍に達し、プロジェクトの途中経過ではあるが、本モデルの有効性が裏付けられた。詳細数値は今後の学術論文にて公表予定。
【今後の展開】
令和8年4月の第3回計測会で縦断データを完成させ、大阪府内での測定データとの比較解析を通じて「群馬モデル」の再現性と汎用性を検証する。並行して、PHR連携によるかかりつけ医・薬局とのシームレスな地域医療接続、医療経済効果の算出、国内外誌への論文化(EBPM)を進める。本モデルを単なるデータヘルス事業の代替ではなく「健診の入口そのものを拡張する」新しい社会保障システムと位置付け、群馬県内他自治体、さらには全国の商業施設・健康経営企業への横展開、そして日本発の標準パッケージとしての国際展開を視野に、継続的にエビデンスを蓄積していく。なお、本モデルの中核となるAI歩行解析技術および評価アルゴリズムは、当社および共同研究機関の知的財産として整備されており、継続的なデータ蓄積とモデル精緻化により独自性を高めていく。



