PROJECT プロジェクト

群馬から「新たな価値」・「イノベーション」を
創出するための
未来を見据えた異業種連携の
プラットフォームです。

MBJ(金属バインダージェッティング)工法を活用した小型医療部品のデジタル製造プロセスの開発

領域:医療・ヘルスケア
申請者名:共和産業、群馬積層造形プラットフォーム、神戸工業試験場

【プロジェクトの目的】
当社は、自動車部品の試作および補用品を主な事業としている。さらに、事業多角化として、医療部品事業へも参入し、事業拡大を図っている。
そして、医療用コンポーネント用小型部品のさまざまな形状や数量のオーダーに対応していくため、従来工法では製造が難しい小型複雑・精密医療部品を短納期&多量生産が可能な体制を整備することが客先から強く求められている。
一方、近年、金属積層造形技術の発展により、微細かつ複雑な形状を精度よく製造することが可能となっている。金属積層造形には、いくつかの工法があり、金属バインダージェット(MBJ)工法が、小型部品向け工法として活用が広まっている。そこで、本事業では、MBJ工法に微細精密加工技術を組み合わせることによるに小型複雑・精密医療部品を高精度で製造する新プロセスを開発する。

【コンソーシアム形成のきっかけ】
コンソーシアムは、群馬積層造形プラットフォーム(GAM)と株式会社神戸工業試験場と形成した。研究開発は、MBJ工法の研究開発実績のあるCETIM(フランス産業技術センター)と共同で行う計画であった。CETIMはGAMサロンのメンバーであり、フランスとの関わりが深いGAMに加わって頂けることで、強いサポートを頂けると共に、研究開発結果をGAMサロン内で共有化することで、地域の技術発展に貢献することができる。さらに、材料開発も伴う研究開発であることから、材料調査研究に経験・実績のある株式会社神戸工業試験場にも参画をお願いした。

【プロジェクトの進捗】
板厚(0.1mm)、公差(0.02mm)、長さ(13mm)、径(φ6.5)、形状の複雑さ(羽根形状)など、
既存の技術でも厳しい仕様を開発医療部品(モデル)に折り込み、ステンレス材で
MBJ工法素材+精密機械加工プロセスの開発に取組んだ。
MBJ素材設計および製造をCETIM(仏産業技術センター)、素材の精密機械加工プロセス
および加工条件開発を、MIFHySTO(仏微細精密加工プラットフォーム)で実施した。
2023年12月~2024年2月の期間、素材製造、機械加工それぞれ協力して試行錯誤を繰返し、最終的に、ターゲット部品に適した素材形状および機械加工条件を見つけ出すことができた。さらに、加工品の寸法測定の結果、厳しい設定仕様を満足することを確認できた。

MBJ造形試作を実施したCETIM(仏)
MBJ造形試作を実施したCETIM(仏)

MBJ積層造形機
MBJ積層造形機

加工機(KERN Micro)
加工機(KERN Micro)

微細医療部品の加工事例(φ6.5 x 9.25)
微細医療部品の加工事例(φ6.5 x 9.25)

【今後の展開】
MBJ工法の適用により、医療部品のニアネットシェイプ素材を製造できる様になる。
今回開発したプロセスの積極活用のため、下記に取組む。
①生産体制の確立
②MBJ+精密機械加工プロセスでメリットを得られる部品への適用
③金属積層造形の形状自由度を活かし、付加価値のある部品の開発

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